【現役探偵が教える!】もし探偵とトラブルになってしまったら


探偵業者に依頼してトラブルになってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。また、トラブルを未然に防ぐためにはどのように対策すれば良いのでしょうか。

平成19年6月1日に探偵業法が施行される以前には、金銭的なものをはじめとする様々なトラブルがあったようです。

これは探偵に限られたことではありませんが、「業法」とは基本的にその業種を取り締まる、活動を制限するためのものであり「業法」が制定されるという事は、探偵と依頼人との間にトラブルが多く起こっていたということです。

現在では、探偵業法が制定されたことにより、警察の取り締まりや行政処分が厳しくなり、以前より「悪徳探偵」と呼ばれるような業者は減少しているものと思われます。

しかし、探偵の業務内容や料金体系などが不透明なことから、依頼される方の中には「多額の料金を請求されるのではないか」、「無理矢理契約させられるのではないか」、「多額の追加費用が掛かるのでは」、等の心配は多いようです。

こういった心配をされる方のために業法が制定される以前に、どういったトラブルが起こっていたか、またトラブルに対処する方法、未然に防ぐ方法をご案内します。

  1. どのようなトラブルが起こっているか
  2. 探偵とのトラブルを未然に防ぐコツはある!
  3. トラブルを未然に防ぐために
  4. 探偵とトラブルになった場合のQ&A

1.どのようなトラブルが起こっているか

トラブルは何故起きるのか?

探偵に調査を依頼する目的は十人十色です。

  • 自己の権利利益を主張する為の目的から情報・証拠を掴みたい。
  • 感情の縺れが動機となり相手の嘘を暴きたい。
  • 好意を持っている相手に騙されているのではないか不安。

などなど・・・。

探偵の仕事は依頼人のこれからの一手(行動)を左右する重要な情報収集であることが多く、依頼人と目的の為に秘密を共有することになります。

この為、依頼人の目的の為に必要なアドバイスや手助けをするはずの探偵が、悪徳業者であった場合、依頼人に必要ない調査や高額な調査方法を提示し意味のない情報を受け取る結果に陥るケースもあります。

また、悪徳業者でなくとも経験に乏しい探偵に依頼をしてしまった場合、なにが必要となる情報・証拠かを探偵がわかっておらず、依頼人が指示した通りに調査を実施した結果、その後の一手に十分に威力を発揮できない片手落ちの情報・証拠になってしまうケースもあります。

調査という行為も対象に感づかれずに調べるには、少なからずリスクが発生し、リスクゼロの調査は存在しないといっても過言ではないでしょう。

熟練した探偵は、リスクを軽減する方法、つまりは調査方法を知っており、その時々の状況に合わせて調査方法を変化させる事が可能です。

依頼する側は、探偵に現実的な調査手法を相談し、「もしも」の時にどの様に、リスクが少ない方法にて「調査」を遂行して目的の結果に導いてくれるのかをよく確認する必要があります。

また、リスク回避が出来ない探偵は未だに多く存在しているものと思われます。リスクを回避できない=調査が完遂できずトラブルの元になってしまいます。

探偵と依頼人との間のトラブルには、単純な調査のミスから、金銭的なトラブル、さらには詐欺や恐喝まがいの行為を行う、探偵業者側に明らかな非があるもの等、様々です。

実際に起こったトラブルの一部をご紹介します。

~探偵・トラブル事例「料金」編~

事例① 業務開始前に高額なキャンセル料を請求する探偵
依頼内容 妻の不貞行為の証拠収集
被害内容 キャンセル料金 約100万円
概要 探偵業者は依頼者に対し、「浮気調査は約200万円で調査可能」と提示。

その調査方法や料金の内訳については一切説明をせずに、「他社の料金はもっと高い」や「急いで調査しないと駄目だ」などの言葉を使用し、調査依頼の契約を急がせた。依頼者は焦りや不安からその場で契約に応じ、契約書にサインし、現金200万円を支払う。依頼者がその数時間後に冷静になり、高額な調査料金に納得がいかないため料金の全額返還と契約解除を申し出るが探偵業社側はそれには応じず、契約書上の調査料金半額のみを返金する。

  

事例② 勝手に高額な追加料金を請求する探偵
依頼内容 債権回収による債務者の所在特定
被害内容 追加料金 約80万円
概要 探偵業者は契約時に「勝手に追加料金を請求する事はない」と説明する。後日、探偵業者から「対象人物の所在を特定出来た」という報告と「相手が思うように見つからなかったから」という理由で「追加料金80万円」の請求をされる。依頼者は事前の打ち合わせもなしに勝手に料金を加算されるのには納得がいかなかったので支払いを拒否するが「払わないなら所在地の報告はしない」告げられて、納得は出来ないが、報告がもらえなければ債権回収の目的を果たす事ができないため依頼者は追加料金を支払う。

 

事例③ 悪質な誇大広告を利用する狡猾な探偵
依頼内容 夫の浮気の事実確認調査
被害内容 相談料1万円
概要 依頼者は某探偵業者のインターネット上の広告で「浮気調査10万円」という広告文が掲載されているのを閲覧し、電話で探偵業社に料金の問い合わせをする。しかし、探偵業者は一切の質問は受け付けず「電話は個人情報が流失する可能性がある」と電話での問い合わせを断り、面談を強く促す。依頼者は面談に応じ、直接会って話を聞くと「料金は1つの例ですから」と広告の料金については誤魔化されて「調査料金は150万円」と告げる。高額な費用だったため依頼を断ると探偵業者の態度が豹変して「最悪な奴だな」や「さっさと消えろ」などの罵倒を浴びせる。探偵業者から1万円の請求をされるが相談料は無料と説明されていたので拒否すると「お茶代だ」と説明され、依頼者は支払う。

~探偵・トラブル事例「調査」編~

事例④ 調査技術が未熟な悪質探偵
依頼内容 夫の不貞行為の証拠・離婚材料の収集
被害内容 不十分な証拠・報告書
概要 契約時に探偵業者は依頼者に対し、「調査が失敗する可能性はない」と断言している。しかし、探偵業者は対象者に似た別人を間違えて尾行する。調査機材のトラブルにより撮影した画像が不鮮明で不貞の証拠画像が撮れていない。などの調査の不手際が原因で決定的な不倫の証拠として認められないことが発覚する。依頼者は探偵業者側の責任であると考えて「追加で決定的な証拠を収集して欲しい」と伝えるが探偵業者はそれに対し、「契約の調査時間を満たしているから」と追加料金を支払わなければ調査はしないと調査を拒否する。金銭上の都合で追加料金を支払えない依頼者は不十分な不倫の証拠で裁判に臨んだ。頼者は支払う。

 

事例⑤ 対象人物に調査が発覚してしまう探偵
依頼内容 交際男性の婚前調査
被害内容 調査発覚による交際相手との関係破綻
概要 探偵業者がカメラで撮影をするところを対象者に確認されおり、撮影をする人物が探偵であることが悟られてしまう。調査継続が不可能と判断した探偵業者は調査失敗による調査料金全額の返金をする。しかし、交際男性が「俺の調査を探偵に依頼しただろ」と依頼者に憤慨し、調査発覚による信頼関係の欠如から依頼者と交際男性との関係が破綻してしまう。関係修復が不可能な状況に陥ってしまう。

 

事例⑥ 悪質な報告をする探偵
依頼内容 息子の素行調査
被害内容 調査料金 約40万円・情報不足の報告書
概要 調査終了後に探偵業者は依頼者に対し、「息子さんは不自然な行動はなかったです」と曖昧なことだけを告げる。依頼者は実際に調査をしていたかどうか不安になり、詳しい情報をまとめた報告書を求める。だが、対象者の写真や行動についての情報は一切載せられておらず「不自然な行動はない」や「誰とも接触はしていなかった」などの曖昧な表現の文章があるだけの報告書が一方的に送付される。依頼者は調査料金の返金を求めるが探偵業者は「調査は完了しているから」と返金を拒否する。

~探偵・トラブル事例「詐欺・恐喝」編~

事例⑦ 実態が存在しない詐欺探偵
依頼内容 企業の信用調査
被害内容 調査料金 300万円
概要 探偵業者は依頼者に対し、「契約の際は喫茶店で打ち合わせしましょう」と提案する。特に不都合はないと考えた依頼者はそれに応じ、調査の打ち合わせと契約をして調査料金300万円を支払う。約束された期限を過ぎても探偵業者からの連絡がないので不信に感じた依頼者は探偵業者に問い合わせてみる。しかし、電話番号が解約されており、連絡が一切つかないため、事務所と伝えられた場所に行ってみるが出鱈目な住所であり、事務所が存在しないという事が発覚する。依頼者は騙されたことに気づき警察に被害届を提出する。

 

事例⑧ 依頼者を騙して対象者を恐喝する探偵
依頼内容 夫の浮気調査
被害内容 調査料金 約100万円・処分料 約100万円
概要 探偵業者は依頼者に対し、「調査日に対象者は浮気行為をしていない」という報告をする。依頼者が探偵業者の報告書を確認すると「対象者が浮気している様子はない」と記載してあるが報告書には対象者の写真が載せられておらず、浮気の有無を判断するには不十分な報告書であった。言動や行動から浮気行為を確信する依頼者は夫に対し、浮気の事実を問い詰めると浮気行為を認め探偵業者から「浮気行為をバラされたくなければ処分料100万円支払え」と恐喝をされていることが発覚した。探偵業者が調査料金と夫への恐喝行為で二重で金銭を取得していた。

 

事例⑨ 依頼者を監禁・恐喝する探偵
依頼内容 夫の浮気調査
被害内容 調査料金 500万円
概要 探偵業者は依頼者に対し、「契約をするまでは事務所から返さない」と脅迫し、約10時間の監禁行為をする。その際に依頼者は恐怖と不安のあまり、調査料金500万円の契約書にサインをする。探偵業者から封書が届き、口座番号の記載と500万円の請求書が同封されており、依頼者は指定の口座に料金を支払う。その事実を警察に相談し、警察に恐喝行為で被害届を提出する。

2.探偵とのトラブルを未然に防ぐコツはある!

トラブルになる前に悪徳探偵を見破る知識を学ぼう

まず、悪徳探偵といっても一見してわかるような業者はいないでしょう。
騙されたり、トラブルになったりして初めて気付くことになるかと思います。
しかし、簡単にチェックできるポイントも存在します。

ポイント① ※公安委員会に探偵業の届け出がしてあるかどうか

探偵業の届出とは?

「探偵業」として営業をするための「許可」のようなものであり、その地区を管轄する公安委員会に探偵業の届け出を行う必要があります。

これがなければ、特定の人物を調査する等の行為は行う事ができません。

探偵業の届け出がなされていると何が判断できるか

  • 少なくとも過去5年間は暴力団関係者ではない
  • 少なくとも過去5年間は禁錮以上の刑に処せられていない
  • 過去5年間に探偵業の営業停止・廃止命令に違反していない

ポイント② ※行政処分の対象となっているかどうか

どこでわかるの?何がわかるの?

探偵事務所が届け出を行っている都道府県警察のホームページで確認できます。

過去3年間に営業廃止、営業停止、指示処分等を受けた探偵業者を確認することができます。行政処分を受けたということは探偵業法に違反したか、何か問題を起こしたということです。注意しましょう。

注意点
行政処分を受けた後に会社名や屋号を変えて営業している場合もあります。
所在地や代表者名も確認しておきましょう。

3.トラブルを未然に防ぐために

料金トラブル

依頼する際の料金に関しては探偵業者によって大きく異なります。
一概に高いからといって悪徳な探偵とは言えないでしょう。自分がその料金に納得して契約したのであれば不当な請求とは言えなくなります。
しかし、契約した料金以外に勝手に追加料金を発生させ、多額の料金を請求されるかもしれないという心配がある場合は事前に確認するしかありません。

確認事項

  • 追加料金が発生する条件は?
  • 追加料金が発生する場合、金額はどの程度か
  • 了承を得ずに追加料金が発生することがあるか
  • 予算の上限を設定することは可能か

その他のトラブル

「無理矢理契約させられるのではないか」、「契約金を支払ったら逃げられるのではないか」といった心配に関しては、起こる可能性は低いと考えられますが、これらを防ぐこと自体は難しいでしょう。
契約を強要される場合、契約書にサインをするかどうかは自分が選択するべきことです。
契約金をもらって逃げるという行為に関しては予測のしようがありません。
しかし、対処するために最低でも下記の事項は確認しておきましょう。

◆確認事項

  • 営業所や本店の所在地
  • 代表者や担当者の氏名

4.探偵とトラブルになった場合のQ&A 

Q.契約を強要され契約書にサインしてしまいました。どうすれば良いですか?
Aまず契約を解除・キャンセルすることは可能かどうかという部分を確認するべきです。
契約書には契約の解除やキャンセルについて触れられているはずです。キャンセルする場合はキャンセル料が発生するケースが多いですが、契約書にサインしてしまった以上は支払わなければならない可能性が高いです。あまりに悪質である場合は何も支払わずに契約を解除できることもあります。 

Q.契約金を支払った後、調査も行わずに連絡がつかなくなりました。逃げられてしまったみたいです。
A本人の所在を特定し、督促するしかありません。
この際、契約書を交わしていることがポイントです。口頭での契約も事実上は可能ですが、探偵業法上、書面の交付は行わなければなりません。
何の契約書も無い場合、契約は行っていないと言われかねません。

まとめ

基本的に探偵とのトラブルにおいて、探偵業者側に問題があれば、まず、その地区を管轄する警察署の生活安全課に相談してみましょう。
探偵業の管轄である為、適切に対処し、悪質な行為を行う探偵に対して、指導、処分を行うでしょう。