公正証書の作り方(離婚する場合)

離婚に関する知識

公正証書の作り方(離婚する場合)

この記事では、離婚をする際に公正証書を作成したいと考えている方のために、
離婚する時の重要ポイントを押さえた公正証書の作り方を紹介したいと思います。

まず離婚に関する公正証書の作成は夫婦双方の合意がなければ作成できません。
したがって、夫婦間でよく話し合い、お互いが合意した約束事を書面にまとめ、その後に公証役場へ行くことをお薦めします。

この合意内容が記された書面は簡単なメモ書きでもいいのですが、以下の「離婚関連の公正証書の文例」を基にした離婚協議書を事前に作成しておいたほうが公正証書の作成が多少はスムーズになりますので、時間を短縮したい方は事前に離婚協議書を作成しておくことをお薦めします。

1.公正証書を作成する前の準備について

以下に、公正証書を作る際に決めておく必要がある事項を記します。
尚、公正証書には必ず執行認諾文言を記入するようにしましょう。
この執行認諾文言とは公正証書に書かれている約束事(金銭の支払いなど)を破った場合には強制執行をされても構わないという旨の文言です。

①子供の親権者と監護教育者を母とするか父とするのか

②子供の養育費について

・月々の養育費の支払い金額

・養育費の支払いが始まる時期

・養育費の支払いが終わる時期
 (例、子供が20歳になった時、大学を卒業するまで、など)

・毎月の支払いが行われる時期
 (例、毎月15日、月末、など)


・支払いの方法
 (例、預金口座に振り込む、もしくは直接会って受け渡す、など)

・どのような事情があった場合に養育費の増減について話し合いを行うか
 (例、物価の変動、失職、当事者の再婚、子供の生活状況の変化など)
  
・子供の病気や進学などの際に発生する費用について
 (例、子供が病気になって入院、手術が必要になった、子供が大学に進学
 するので入学費用が必要になった等)

・子供との面会交流について
 (例、子供を引き取っていない側の親と子供が月1回会うことを認める、など)
 
③慰謝料について

・慰謝料の金額、一括で支払うか分割で支払うか、分割支払いの場合は支払期間、
 支払の期日、支払方法、また支払いを何回滞らせた場合は全額の支払い義務が
 生じるかなどについて

④財産分与について

・金銭、動産(自動車など)、不動産(住居)などをどのように分与するか

⑤年金分割に関して
 (例、支給される年金を50%で分割する、など)

⑥その他

・引っ越し先や連絡先、振込先口座が変わった場合に連絡するか

・お互いのプライバシーには干渉しないことの約束

・清算条項
 (例、本件離婚に関しては以上を持って解決したものとしお互いにこれ以上の
 金銭の請求はしないこと、などの文言を書面に入れる)

■公証役場で公正証書を作成する際に必要な資料

・夫婦それぞれの「運転免許証」か「住民基本台帳カード」(顔写真入りのもの)、
 もしくは「印鑑登録証明書」

・夫婦の「戸籍謄本」(全部事項証明)

 もし既に離婚した後である場合は離婚事実が記入された「戸籍謄本」か
 「届出済証明書類」が必要です

 尚、「印鑑登録証明」と「戸籍謄本」は3ヶ月以内に発行されたものである必要があります。

・財産分与をする場合は「不動産の登記簿謄本」や「自動車の車検証」など分与の
 対象になる財産を特定するための資料が必要になります。

・もし年金分割をする場合は「年金手帳」と「年金分割のための情報通知書」が必要に
 なります。

2.公証人との面談

上記の「お互いの合意事項を記したメモ、あるいは離婚協議書」と
「必要な身分証や資料」を持って公証役場に行き公正証書の作成を依頼すると、
公証人と面談することになります。
この面談の際は二人分の「必要な身分証や資料」を持参すれば、
夫婦のどちらか1人が行くだけで問題ありません。

この時、事前に作成しておいた離婚協議書などを提出すると公証人がチェックして
修正箇所などを教えてくれます。

なお公正証書の作成はファクスや郵送、メールなどで上記の「お互いの合意事項を記したメモ、あるいは離婚協議書」と「必要な身分証や資料」を送付すれば受け付けてもらうことができます。
その際は事前に公証役場に電話で連絡しておく方がいいでしょう。

3.公正証書を作成する前の確認

依頼を受けた公証人が公正証書の原案を作成し、公正証書の作成を依頼した夫婦双方に、
原案の内容を確認してもらうよう連絡をします。

原案の内容を夫婦が確認し、この原案で公正証書を作成することになった場合は
作成日を予約することになります。

尚、この連絡と、原案の内容の確認は電話・ファックス・郵送・メールなどでも対応
してくれます。

4.公正証書を作成する

予約した当日に夫婦双方が公証役場を訪問し、公正証書の内容の最終確認をします。
なにも問題がなければ公正証書に署名、捺印して公正証書の作成が終了します。

この時、印鑑を持ってくることを忘れないようにしましょう。
もし印鑑証明書を提出した場合は登録されている実印を持ってこなければいけません。

公正証書の作成が終われば、夫婦双方が公正証書の正本かあるいは謄本を受け取ることになります。

この時必要があれば送達を行っておくことにしましょう。
この送達を行っておくことで、相手が公正証書の中に書かれた約束事を破った
時に行う、強制執行の手続きがスムーズに終わります。

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