本当にあった浮気調査の事例 ~「浮気相手の自宅に通う妻」編~


浮気調査を依頼するのは奥様が多いというイメージがありますが、最近では、女性と男性の比率は変わらない印象を受けます。
女性のほうが感情で行動する傾向にあるため、浮気相手にのめり込んでしまうケースもあり、厄介です。

今回は相談に来られた方の中でも最終的に裁判を経験された方の事例をご紹介します。
探偵に依頼されたことがない方は、浮気調査をした結果、どういう結末を迎えているかということが見えてこないでしょう。
探偵に浮気調査を依頼した結果、どうなるかという疑問の参考になればと考えています。

※許可を得たものを掲載しています。内容は一部変更したものになります。

浮気調査の事例「浮気相手の自宅に通う妻」

相談者:夫
内容
妻は帰りも遅く、外泊もあり、好き勝手行動している。
妻に対して注意しても、開き直って反省する様子も無い。
浮気はしているものと思われるが、証拠が無いため、証拠収集を行い、慰謝料請求を
したいとのことで調査を依頼。
妻とは離婚して第二の人生を歩みたい。

調査内容1
対象者の行動分析

調査結果1
対象者の行動を分析した結果、とあるマンションに頻繁に通っている様子が確認された。

調査内容2
対象者が通っているマンションの、どの部屋に入るかを確認する

調査結果2
行動分析により、対象者がマンションに来る時間帯はおおよそ予測できていたので、事前に張り込みを行い、対象者が出入りするマンションの部屋の特定に成功する。

調査内容3
対象者が出入りするマンションには誰が住んでいるかを確認する

調査結果3
ワンルームのマンションであったため、家族で住んでいることは考えにくいが、住人が女性である場合は不貞行為の立証が難しくなるため、人物の確認を行う。その結果、対象者と同年代の男性の姿が確認された。

調査内容4
浮気相手の移動手段の特定

調査結果4
予備的な要素ではあるが、調査においては重要な部分である。それによってはマンションの出入口に違いが生じることもあり、また、車両を常時使用している場合、車両があれば在宅しているかどうかの判断基準にもなる。また、外出する時間や帰宅時間の予測も行える可能性がある。調査の結果、車で移動したため、車を所有している人物であることが判明した。

調査内容5
浮気相手の勤務先の特定及び、行動分析

調査結果5
慰謝料を請求する際は勤務しているかどうか、また収入はどの程度かということを予測しておくことも重要である。調査の結果、対象者と同じ勤務先であり、対象者の上司であることが判明した。また、出勤時間、帰宅時間の特定も行う。

調査内容6
不貞行為の証拠収集

調査結果6
本調査を行う情報やデータも揃い、ついに証拠収集の段階に入る。対象者が外泊する際は、事前に申告するとの事なので、その日に合わせて調査を行う事となる。対象者らの帰宅時間に合わせて張り込みを行い、二人が部屋に入るシーンと、朝、対象者が部屋から出てきて、それを浮気相手の男性が見送るシーンを撮影することに成功する。その他、宿泊の証拠を2回、仕事終わりに浮気相手の部屋に出入りする様子や休日にデートする様子の撮影も行う。

調査費用

  • 対象者と浮気相手の行動分析:14日間
  • 浮気相手の自宅特定:1日
  • 浮気相手の人物確認、移動手段、勤務先の確認:2日間
  • 不貞行為の証拠収集及び二人の行動調査:7日間

合計:568,000円

相談者のその後

妻とは関係性も悪化していたことから、離婚に関してはすんなり合意することができた。子もおらず、親権に関しては話し合う必要もなく、自宅のマンションに関しては結婚する前から相談者が所有していたことから、そのまま相談者が居住することになった。結婚してから、相談者が妻の車を購入したが、妻がその車を使用したいとのことで、車の査定額を、妻が相談者に対して分割で支払うことで合意した。

その後、相談者は浮気相手の男性に対して慰謝料を請求したいとのことであったが、自分では手に余るとのことで、要望により弁護士を紹介する。そして、弁護士を通して、浮気相手の男性に対し、損害賠償(慰謝料)請求訴訟を提起する。

妻が浮気相手の男性宅に出入りしていた事実に対して、浮気相手の男性は下記のように弁解した。

「相談者の妻や飲み友達の合計4名で朝方まで談笑しながら酒を飲み、相談者の妻のことは、朝方見送ったに過ぎない。」

確かに、その日に関しては男性が妻を見送った時点で調査を終了しており、その後のことは不明である。
しかし、裁判所は下記のように判示した。

  • 浮気相手の男性の主張の真偽を判断するためには、物証がない以上、その場にいた全員に対して個別に尋問を行う必要がある。しかし男性は女性一人のみを証人として申し出ているだけで不十分である。
  • 仮に浮気相手の主張が本当であるとするならば、狭いワンルームのマンションで男女4人が明け方まで酒を飲みながら談笑していたということになり、近隣の住民には大変な迷惑をかけることになる。分別のある30歳を過ぎた社会人の行為としては極めて非常識であり、考えにくい愚行である。

また、証拠として複数回撮影されていることから、他の人物の出入りも確認できておらず、このような集まりが毎回行われてとは考えにくい。

二人で外出した際に手をつないで歩いている様子が撮影されていることから、二人は親密な関係にあり、不倫行為の存在を強く推認させる間接事実であるとして、200万円の慰謝料が認められる結果となった。

まとめ

今回、配偶者である妻に関しては、揉める要素はほとんどありませんでしたが、相手によっては話し合いがもつれることもあります。
浮気相手に関しては、どういう人物かということがわからないので、なおさら、こちらの思うとおりに話が進まない可能性があります。
今回の浮気相手も最後まで認めたくないという姿勢が見て取れました。
今回は複数回証拠を撮影したことで、慰謝料の増額につながったことが考えられます。
出入りを1回確認するだけでも、今回のような弁解では、相手は苦しい展開に追い込まれていたことでしょう。
しかし、複数回も同じようなことが行われるかどうか、二人の関係性から見える密室での行為という部分がポイントであったと考えられます。