遺言書の偽造を突き止めたい! 影響力や証拠を集める方法は?


効力が認められた「遺言書」は、記載された内容を絶対に順守しなければなりません。遺言書に相続について書かれていた場合、故人が遺(のこ)した言葉どおりに相続を進めていきます。しかし、その遺言書を悪用し、莫大(ばくだい)な遺産を受け継ごうとする輩(やから)もいるのです。相続トラブルの1つとして、「遺言書の偽造」というものがあります。一体どんな内容なのか、偽造されるとどうなるのか、本記事で詳しく解説していきましょう。遺言書が偽造されたときの正しい対処法についても説明します。

  1. 遺言書の偽造とはどういうことか?
  2. 遺言書が偽造されるとどうなるか?
  3. 遺言書偽造への対策方法は?
  4. 遺言書の偽造に関してよくある質問

この記事を読むことで、遺言書の偽造による影響と正しい対策方法が分かります。気になっている方や悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。

1.遺言書の偽造とはどういうことか?

まずは、遺言書の偽造が一体どのようなことなのか把握しておきましょう。

1-1.遺言書の目的・必要性は?

故人が自らの死後のために遺した言葉や文章のことを「遺言書」といいます。主に、死後の財産の処分方法や、遺言書の指示を誰に実行してほしいのか、誰に未成年の子どもの世話をしてほしいかなどを明記することがほとんどです。法的な効力を持たせるためには、民法の規定どおりに文章を作成しなければならず、規定と異なる遺言は無効となります。法的な効力がある遺言書は、この世を去った後も自分の意思を相続人や家族に伝える意味が含まれているのです。自分の財産を自分の意思で処分してもらうためには、遺言書が必要不可欠となります。

1-2.遺言書の偽造はなぜ起きるのか?

作成名義を偽ることが遺言書の偽造と定義されています。具体的には、遺言書の軽微な変更ではなく、その内容を遺言者の承諾なく勝手に書き換えてしまうことです。遺言書を偽造する目的は、ほとんどが「財産目的」といえるでしょう。財産目録を書き換え、自分の財産として相続するために偽造を図るケースが多く見られます。特に、莫大な遺産がある場合、遺言者が遺した言葉に納得がいかず、勝手に偽造するケースがよくあるのです。また、認知症で意思表示ができない状態を利用し、遺言書を書かせるというケースもあります。

1-3.注意しておきたい自筆証書

遺言書の効力が法的に認められると大きな影響力がありますが、自筆証書遺言の場合は偽造しやすいというデメリットがあります。全文を自分で書く遺言のことを「自筆証書遺言」といい、法律のプロである公証人のチェックを受けた遺言が「公正証書遺言」です。公正証言遺言は公証人のチェックを受けるので偽造されないメリットがありますが、そこに落とし穴があります。先に書いたものが公正証書遺言でも、後に書いた自筆証書遺言のほうが力を持つからです。自筆証書遺言は、以前のものを破棄し新しいものを書き直すだけで効力を持ちます。つまり、故人の筆跡を真似(まね)して自筆証書遺言を作成(偽造)すれば、公正証書遺言よりも力を持つことができるというわけです。

2.遺言書が偽造されるとどうなるか?

では、遺言書が偽造されると一体どのような影響をおよぼすのでしょうか。

2-1.遺言書の偽造で受ける影響は?

遺言書の偽造が明らかになると、その遺言内容は遺言者の意思により作成されたものではないと判断されます。また、民法第891条によると、「相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄し、または隠匿した者は相続人となることができない」と記載されているのです。ただし、遺言書を偽造した相続人が相続権を失ったとしても、その人が遺言者の子や兄弟の場合、次の世代となる子どもが代襲相続することになります。

2-2.刑事責任とは?

遺言書の偽造は、とても重い罪です。遺言書の偽造は「私文書偽造罪」、偽造した遺言書を使用するのは「偽造私文書行使罪」という罪となります。よって、刑事責任として3月以上5年以下の懲役刑が科せられるのです。また、偽造した遺言で相続登記をした場合は、「公正証書原本不実記載罪」にもあたります。刑法上、遺言書の偽造は「私文書偽造罪」「同行使罪」という犯罪の2つが成立することを忘れないでください。場合によっては「詐欺罪」にあたる可能性もあります。

2-3.裁判が長引き、精神面に負担がかかる

偽造された遺言書を無効にするためには、遺言無効確認の訴えを起こす必要があります。そのためには、原則として最初に家庭裁判所で家事調停を申し立てなければなりません。しかし、話し合いで解決できることはほとんどなく、すぐに訴訟を提起することになりますが、裁判費用はもちろんのこと、精神的な負担もすさまじいものです。

2-4.親族間の信頼を失う

遺言書の偽造は相続争いでよく起こりますが、もちろん親族間の信頼を失うことになります。もとから仲がいい悪い関係なく、親族同士で交流することがなくなるでしょう。慕っていた人も信用できなくなったりすることもあるのです。遺言書の偽造は、親族同士の争いに発展する可能性が高いでしょう。裁判を行うときは、そのリスクも踏まえておかなければなりません。

3.遺言書偽造への対策方法は?

もし、偽造された遺言書が出てきた場合、どのように対応すればいいのでしょうか。ここでは、適切な対策方法について解説します。

3-1.公正証書遺言の作成とポイント

まずは、遺言書が偽造されないための予防策として、「公正証書遺言」を作成しましょう。公証人および証人が関与して作成された遺言書なので偽造防止となりますが、前述したとおり、自筆証書遺言が後に作成された場合、公正証書遺言の効力が失われてしまうのです。公正証書遺言が出てきた後に自筆証書遺言が見つかったときは、偽造を疑ったほうがいいでしょう。また、遺言者の年齢や病状、遺言してから死亡するまでの間隔・遺言内容の複雑さなどが吟味され、裁判で遺言能力なしと判断されれば公正証書遺言でも無効となりますが、稀(まれ)な事例といえます。

3-2.裁判・調停へ

遺言書の偽造を疑ったとき、1番に思い浮かぶのが「裁判・調停」です。前述したとおり、家庭裁判所に遺言書は偽造されたもので無効にしてほしいと申し立てを行います。その際に、遺贈も無効であると訴えるため、遺産分割調停も申し立てることになるでしょう。調停で合意に至らない場合は、無効である旨を争うことになります。

3-3.筆跡鑑定を行う

裁判・調停よりも簡単な対応策として、「筆跡鑑定」があります。当事者が行った筆跡鑑定書を証拠として提出できますが、当事者の申し出によって裁判所が筆跡鑑定を行うことがあるのです。しかし、筆跡鑑定は鑑定人の経験によるところがあり、裁判では鑑定結果がそのまま証拠採用されるわけではない、ということを覚えておきましょう。

3-4.カルテ等を集める

遺言能力がない人が作成した遺言は、裁判で無効と判断されます。そのため、遺言能力があったかどうかを確認する手段として、カルテ等を集めることが大切です。特に、遺言者が認知症を患っている場合、本人をだまし遺言書を書かせる可能性があります。筆跡鑑定等を行いながら、カルテ等など遺言能力があると判断できる証拠を集めましょう。

3-5.どこへ相談すべきか?

遺言書の偽造が疑われる場合は、法律が深く関係しているため、その道に詳しい弁護士に相談するのが1番です。しかし、弁護士に相談するだけで高額な費用がかかり、なかなか打ち明けることができませんよね。そんなときは、探偵事務所へ相談してください。探偵事務所は調査のプロが依頼に応えていきます。遺言書が偽造されたことを立証するための資料を作成するだけではなく、アフターケアとして弁護士を相談してくれるところもあるのです。「愛知探偵事務所」では、無料相談を受けつけているので何でもご相談ください。

3-6.探偵事務所でできることは?

筆跡鑑定は、鑑定人の経験や実力によって差が出ることも事実です。しかし、実績を持つ鑑定機関が信頼のある鑑定を行えば、裁判所で認められ証拠採用される可能性が高くなるでしょう。「愛知探偵事務所」では、25年以上の実績を持つ鑑定機関が筆跡鑑定を行います。たとえ、ほかの鑑定人が作成した鑑定書があっても、反論する「反論書」も作成可能です。刑事事件における科学的鑑定にも利用可能な鑑定書を提出した経験もあるので、ぜひチェックしてみてください。

4.遺言書の偽造に関してよくある質問

遺言書の偽造に関してよくある質問を6つピックアップしてみました。

Q.遺言書の偽造を疑ったほうがいいケースは?
A.自筆証書遺言なのに、遺言者とはまったく違う筆跡で書かれているケースは、高確率で偽造の可能性があります。また、遺言者に複数の子どもがいた場合、不仲が原因で疎遠になっていた子どもにだけ相続させる内容になっているケースも、不信感を抱いたほうがいいでしょう。明らかに、親族全員が疑問に感じる内容は、何者かによって偽造もしくは改ざんされているおそれがあります。

Q.偽造が発覚するのはどんなとき?
A.遺言書の偽造が発覚するのは、「検認」のときがほとんどです。検認とは遺言書を開封することで、公正証書遺言以外の遺言書は家庭裁判所の検認が必要となります。遺言者が亡くなって遺言書を見つけた場合は、絶対にその場で開封してはいけません。親族が集まっている場での開封も禁じられています。逆に、偽造の意図がなくても、遺言書の扱い方が分からずにその場で開封すれば、偽造を疑われることがあるので注意してください。

Q.検認手続きとは?
A.名前のとおり、裁判所による検認を行うための手続きです。検認を済ませていない遺言書は効力がないため、勝手に金融商品等の名義を換えることはできません。基本的に、遺言書を見つけたときは、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に検認を申し立てます。すると、家庭裁判所は、遺言書に記載されているすべての相続人に検認の日程を連絡し、検認が終われば相続人に検認済証明書が発送される仕組みです。検認手続きをすべて済ませるまで、約1か月かかります。検認済証明書をもらって初めて財産の名義の書き換えができるのです。

Q.遺言書の偽造による損害賠償責任とは?
A.遺言書を偽造すると、民事上・刑事上の罪に問われ、損害賠償責任を負うこともあります。偽造や隠匿することによって、そのほかの相続人や受遺者に損害を与えたとみなされるのです。損害賠償責任を負うことになれば、財産に見合った金額を支払う可能性があります。遺言書の偽造を行った相手に損害賠償を請求する場合、請求が認められるか否かは具体的事情によるので必ずしも認められるわけではありません。

Q.探偵事務所選びのポイントが知りたい
A.できるだけ、実績と経験のある探偵事務所を選びましょう。実績がある探偵事務所ほど、丁寧に答え、的確なアドバイスをもらうことができます。対応も丁寧で細かく話を聞いてくれるため、安心して相談できるでしょう。また、インターネットで口コミや評判もチェックしてください。料金設定が明確になっているか、探偵業の許可を取得しホームページ等に記載されているかも要チェックです。悪質な業者は、探偵業の許可を取得していない可能性が高いので気をつけましょう。

Q.筆跡鑑定の依頼はいくらかかるのか?
A.探偵事務所によって異なりますが、約15万~20万円が目安です。「愛知探偵事務所」の場合、鑑定人の目で鑑定の方向性を見極める「略式鑑定」が7~10日で6万円、結果に対して根拠まで説明を行う「通常鑑定」が15万円となります。そのほかの料金設定に関しては、ホームページをご覧ください。

まとめ

いかがでしたか? 遺言書の偽造は立派な犯罪です。遺言者の意思を偽造することになるため、相続権がなくなるだけでなく、刑事罰を受けることもあるでしょう。相続で争っていたり遺言者が認知症になっていたりしたときなど、遺言書の偽造が起きやすいので注意しなければなりません。偽造を疑ったときは、筆跡鑑定等を利用し対応しましょう。探偵事務所では、遺言書の偽造に関する相談も受けつけているため、1人で悩まずに相談してください。実績のある探偵事務所なら、その状況に適した対応策を提示し、素早く行動を起こしてくれますよ。