横領調査とはどんなもの? 確実に証拠をつかむ方法・注意点を詳しく!


「社員が横領している疑いがあるが、横領調査の方法を知りたい」とお考えではないでしょうか。会計処理が不正確なことは会社の損失につながるだけでなく、経理がずさんなことを示し、社会的信用を失うことにもなります。まずは、本当に社員が横領しているのか、きちんと調べることが必要です。

そこで今回は、横領調査について詳しく解説します。

  1. 横領とは?
  2. 横領によって会社が受ける損失
  3. どんなものが横領の証拠になる?
  4. 社員による横領を調査する方法は?
  5. 横領発覚後の社員の処分について
  6. 社員の横領を防ぐためにできることは?
  7. 横領調査に関するよくある質問

この記事を読むことで、横領調査を進める方法やコツがよく分かります。社員に横領の疑いを抱いている人は、記事を参考にしてください。

1.横領とは?

最初に、横領とはどんなものかを見ていきましょう。

1-1.他人のものを故意に自分のものにすること

横領とは、他人のものを故意に自分のものにすることです。横領罪には、私的な横領と業務上横領があります。

  • 刑法252条1項:自己の占有する他人のものを横領した者は、5年以下の懲役に処する
  • 刑法253条:業務上で自己の占有する他人のものを横領した者は、10年以下の懲役に処する。

このうち、刑法253条の業務上横領が会社の横領に当たります。

1-2.横領しやすい人の特徴は?

通常なら、万が一、横領を思いついても、実行に至るまでにはいかないものでしょう。しかし、以下のような人は横領しやすいと言えます。

  • 頭の回転が速く、仕事ができる
  • 金遣いが荒く、派手好き
  • ギャンブル好き
  • 他人に見えを張る
  • 大きな借金を抱えている
  • 大きなストレスを抱えている

上記のポイントに多数該当する社員は、特に注意する必要があるでしょう。

2.横領によって会社が受ける損失

社員による横領は、会社に大きな損失を与えます。

2-1.資産の損失

社員が横領すれば、会社の資産の損失となります。特に多額の横領となれば、会社の経営を脅かすことになるでしょう。たとえば、社員が横領した金額を返済不可となった場合、資金繰りが急激に悪化して会社が倒産する恐れもあります。

2-2.社会的信用の失墜

社員の横領は、社会的信用の失墜につながります。社員が横領できる点で、経理がずさんな会社だったと言わざるを得ません。たとえば、銀行が融資を取りやめたり、取引先が手を引きたいと言ってきたりする可能性もあります。また、社員の横領が報道された場合、企業イメージが悪化して、業績不振に陥ることもあるでしょう。

3.どんなものが横領の証拠になる?

社員の横領の証拠としてどんなものが有効かご紹介します。

3-1.社員の預金口座に多額の振り込みがある

社員個人の預金口座に、給与以外で多額の振り込みがあると有力な証拠となるでしょう。ただし、遺産相続や副業収入・資産の売買による利益などの可能性もあるため、単に多額の振り込みがあるという事実だけでは、横領の証拠とは言えないこともあります。ポイントは、会社に使途不明金が発生したタイミングと、社員個人の預金口座に同額もしくは近い金額の振り込みがあったかどうかとなるでしょう。

3-2.借金を返済した

横領の疑いがある時期に、社員が借金を返済した場合も証拠となることがあります。ポイントは、やはり返済のタイミングと金額です。たとえば、今まで返済が滞っていたのに、急に返済していると怪しいでしょう。特に、その返済で借金の多くを返済完了している場合は、横領の事実があったと認めざるを得ません。

3-3.高額な物品を購入した

家や車など、高額な物品を購入したことも、横領の疑いを裏づける証拠となります。社員の収入に見合わない高額商品やブランドものなどを好んで身につけるようになったなども注意が必要です。中には、横領がバレにくいよう、毎月定額で不正出金しておき、一定金額に達したときに大きな買いものをすることもあります。

4.社員による横領を調査する方法は?

社員による横領を調査する主な方法を詳しく見ていきましょう。

4-1.帳簿類・伝票などの書類チェック

横領調査では、帳簿類や伝票などの書類チェックを行うのが一般的です。通常、金銭が動くときは、帳簿につけたり伝票を発行したりします。帳簿の金額が合わない・不明な伝票があるなどのときは、横領が疑われるのです。なお、特に問題がないように見えても、架空取引の記載・架空伝票の作成が行われていることもあるため、注意してください。

4-2.社内パソコンの履歴チェック

社内パソコンの履歴をチェックすれば、横領の証拠が見つかることがあります。今は、多くの金銭取引を社内パソコンにて行う時代です。横領を行った社員だけが操作できるパソコンがあれば、履歴をチェックしましょう。不明な出金指示・振り込み指示がある場合は、高確率で横領しているはずです。

4-3.監視カメラのチェック

社内金庫などに、監視カメラを設置してあるときは、映像をチェックしてみましょう。横領の疑いがある社員が、怪しい動きをしている姿が映っていることがあります。映像が残っていれば、強力な証拠になるでしょう。

4-4.社員に直接聞き取り調査をする

横領の疑いがある社員に対し、上司や経理責任者が直接聞き取り調査を行うことも必要です。たとえ現時点で横領の確信があっても、社員には弁明する権利があります。聞き取り調査では、以下のようなことをチェックしましょう。なお、調査する側は、聞き取り係と記録係の2人体制にしてください。

  • 横領を認めるか
  • 社員に謝罪・反省・弁償の意思があるか
  • 横領行為の時期と金額について
  • 横領で作成・利用した書類や物品の提示
  • 横領に関する伝票などの筆跡や押印が社員本人のものか
  • 社内や取引先に横領の協力者がいるか

4-5.プロの探偵事務所に依頼するメリット

社員の横領を疑うときは、プロの探偵事務所に依頼すると以下のようなメリットがあります。

  • 調査対象者にバレにくい
  • 確実で客観的な証拠をつかめる
  • 社内調査の労力・時間を節約できる

なお、当愛知探偵事務所でも、数多くの横領調査のご依頼をお受けしご好評をいただいています。まずは、お気軽にご相談ください。

5.横領発覚後の社員の処分について

社員による横領が発覚した後の主な処分について見ていきましょう。

5-1.懲戒解雇

横領が発覚した社員は、懲戒解雇することが可能です。横領した社員は、会社に対して重大な裏切りを働いたことになります。信頼関係を自ら壊したのですから、雇用関係を解消できるのです。懲戒解雇では、退職金の不支給もあり得ます。

5-2.損害賠償請求

横領した社員に対して、会社が損害賠償請求を起こすことがあります。社員本人に弁済能力がない場合は、身元保証人に請求することも可能です。ただし、入社時に身元保証書を取りつけておく必要があります。

5-3.刑事告訴

会社の横領は、刑法253条に基づき10年以下の懲役を科すことができます。懲戒解雇や損害賠償請求は、民事的な責任追及にすぎません。会社が横領した社員に対し、刑法による処罰を望む場合は、警察に対し告訴状を提出して刑事告訴することになります。

6.社員の横領を防ぐためにできることは?

社員の横領を防ぐための方法を詳しく解説します。

6-1.社員同士でダブルチェックする

社員同士でダブルチェックを行うことで、横領を防ぐことが可能です。手間はかかりますが、1人の社員だけが担当することによる不正を防止できる効果があります。ダブルチェックをするコンビは、常に変化させることがポイントです。特定の社員同士がなれ合うことによるチェックもれや省略をなくし、ダブルチェックの精度が上がります。

6-2.入出金の記録をこまめにする

会社の入出金の記録をこまめにし、経理状態を最新の状況にしておくことも必要です。入出金の記録がおろそかになると横領の発覚が遅くなり、損害が大きくなります。また、特定の社員だけに入出金記録を任せるのではなく、必ず上司などがチェックすることも忘れないようにしましょう。

6-3.出金伝票を発行し承認する制度を作る

支払いを行うとき、担当者が出金伝票に支払先・金額・内容を記載し、請求書などの資料を添付して上司に承認印を得るようにしましょう。このとき、担当印も忘れずに押させることが大切です。支払いを行うときは、申請した人が責任を持つ意味になり、横領しにくい仕組みになります。

7.横領調査に関するよくある質問

最後に、横領調査に関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。

Q.横領の社内調査を進めるときに注意すべき点は?
A.まずは、証拠隠しを防ぐために、横領の疑いがある社員に自宅待機を指示しましょう。調査期間中は業務に一切手出しをさせず、ほかの社員との連絡も不可とすることが大切です。また、調査を進めていることはごく一部の社員だけの機密にしておきましょう。

Q.初犯かつ被害金額が数千円なら懲戒解雇しなくていい?
A.はい。もしも、会社が横領した社員を許し、今後も勤務してほしいと考えるのなら、懲戒解雇しなくても済みます。ただし、初犯かつ少額であっても、横領罪に違いありません。ほかの社員へのけじめという点でも、よく考える必要があるでしょう。

Q.横領調査の費用相場は?
A.横領調査の費用目安は、当愛知探偵事務所の場合、本格調査で60,000円程度~です。ただし、個々のケースによって難易度が異なり、調査方法や期間によっても金額が変わります。まずは、業者に見積もりを依頼してみてください。

Q.横領調査の結果は探偵事務所で保管されることになる?
A.信頼できる探偵事務所は、調査報告書を依頼人に提出した後ただちに廃棄するか、ごく短期間のとなることでしょう。むやみに保管しても意味がなく、情報流出のリスクが高まるからです。実際の保管期間に関しては、業者に確認してみてください。

Q.調査期間中に確実な証拠をつかむことができなかったらどうする?
A.探偵事務所と相談し、追加調査を行うか検討してください。プロが調査をしても確固たる証拠が出てこない場合、横領の立証ができないこともあります。追加調査で成果を出すためには、一層の協力と資料提出が必要になるでしょう。

まとめ

今回は、横領調査について詳しく解説しました。社員の横領を疑うときは、本人を問いただす前に確実な証拠をつかむことが大切です。自分たちで証拠を集めることもできますが、本人にバレる可能性が高いのでおすすめしません。また、第三者が客観的につかんだ証拠は、損害賠償請求や裁判でも有利に働きます。まずは、信頼できる探偵事務所に相談して、調査を進めていきましょう。