悪質な探偵事務所を見抜く方法は? 被害に遭ったときの対処法も


「高額な費用を請求された」「きちんと調査してくれなかった」など、悪質な探偵事務所とのトラブルが相次いでいます。探偵事務所に依頼する費用はそこまで安くはないので、納得のいく調査結果を得たいものです。どうすれば悪徳探偵によるトラブルを防ぐことができるのか、悩んでいる方は多いでしょう。

そこで、本記事では、悪徳な探偵事務所を見抜く方法を解説します。

  1. 悪質探偵によるトラブルが増えているのは本当か?
  2. 悪質な探偵を見抜く方法は?
  3. 被害に遭ってしまったときの対処法
  4. 探偵事務所に関してよくある質問

この記事を読むことで、悪質な探偵の特徴やトラブルに遭ったときの対処法も分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.悪質探偵によるトラブルが増えているのは本当か?

最初に、悪徳探偵によるトラブルは実際に増えているのか、どのようなトラブルが起きているのかチェックしておきましょう。

1-1.悪徳探偵とのトラブルは続出中

悪徳探偵とのトラブルが自分の耳に入ってこない状況だとしても、実際にトラブルが起きていることは確かです。国民生活センターのホームページをチェックしてみると、2015年で4,000件以上もの相談件数が寄せられていました。現在でも、国民生活センターのホームページで悪徳探偵に対する注意喚起がなされるほど、トラブル相談件数が増えている状態です。「自分は大丈夫」と思っているときほど悪徳探偵に引っかかりやすい傾向があるため、十分に注意しておかなければなりません。

1-2.調査実態の品質に対する不満が多い

国民生活センターへの相談内容として最も多いのは、調査実態の品質に対する不満です。「調査内容に疑問を持っている」「高い料金を支払ったのにきちんと調査されていなかった」など、さまざまな相談が寄せられています。悪徳探偵はきちんと調査している素ぶりを見せていても調査していなかったり、素人が調査を行っていたりするケースが多いようです。それでは、依頼者が納得できる調査結果が得られないのは当たり前といえるでしょう。調査内容が不十分というトラブルは今でも尽きません。

1-3.高額な追加費用や解約料など料金トラブル

悪徳探偵との間で多いトラブルといえば、料金トラブルです。探偵に調査を依頼する場合、調査内容や調査期間・調査員の人数などによって費用は大きく異なります。具体的にいくらかかるとはいえませんが、悪徳探偵は相場よりも安く設定しては後で高額な追加費用を請求するのが特徴です。また、無料相談のつもりで話をしたのに、依頼しないと決めると「解約料」といって高額な相談料を請求してくる悪徳な探偵も存在しています。料金トラブルは調査自体の品質に対する不満と同じくらい多いトラブル内容です。

1-4.脅してくる悪徳探偵も……

不正を働く悪徳探偵の中には、脅してくるところもあります。実際にあった事例をあげてみると、「調査依頼をバラすぞ……」と恐喝未遂容疑で探偵が逮捕された事件がありました。パートナーの浮気調査を依頼してきた女性を脅して現金を奪おうとした悪徳探偵です。「依頼をバラしたら家庭崩壊するぞ」とさまざまな脅し文句をいい、現金30万円を奪い取ろうとしました。当時、調査費用を求めただけと否認していましたが、探偵業の許可証を取得していなかったことが分かり、逮捕された事件です。このように、脅してくる探偵もいるので十分に注意しなければなりません。

2.悪質な探偵を見抜く方法は?

それでは、悪質な探偵を見抜く方法をいくつか解説します。

2-1.探偵業の届出がなされているか

最初にチェックしてほしいポイントは、探偵業の届出がきちんとなされているかどうかです。基本的に、探偵業を行う場合は探偵行法施行によって、すべての業者は管轄する警察署に届出を行わなければなりません。そして、事務所を構える都道府県から探偵業の許可を取得する必要があります。届出がなされていない・探偵業の許可証を取得していない探偵事務所は、悪徳業者の可能性が高いので要注意です。ホームページ等をチェックして、許可番号が記載されているか入念に確認してから無料相談を依頼してください。また、併せて、名称や本社所在地などが正確に表示されているかも悪徳探偵を見極めるポイントの1つです。

2-2.宣伝や広告に惑わされない

宣伝や広告にも、悪徳探偵を見極める要素が詰まっています。インターネットの広告などで「簡単に解決できる」など謳(うた)い文句を掲げている探偵事務所がありますが、宣伝や広告の言葉を鵜呑(うの)みにしてはいけません。悪徳探偵は、簡単に解決できると思わせる広告や説明をすることで、依頼者を契約させる傾向があります。特に、「今なら安く調査できる」など、すぐにでも契約をさせようとするような言葉には注意してください。また、宣伝や広告費にお金をかけている探偵事務所は人件費にかけていない傾向があるため、すぐに依頼せず、ほかの探偵事務所を比較することをおすすめします。

2-3.探偵員の対応と相性

悪徳探偵は基本的に対応が悪く、すぐに契約させようと料金について話したり、どれだけすごい探偵か伝えたりする傾向があります。そして、「この探偵に依頼すれば大丈夫」と思わせることができたら悪徳探偵の思いどおりというわけです。相手の思うツボにならないよう、探偵員の対応を注意深く観察してください。きちんと自分の相談に親身になって聞いてくれるか、契約内容ばかりいってこないかどうかなど、自分と調査員との相性を確認することが大切です。正式に依頼することになると、プライベートな情報を伝えることになるので信用できる探偵に依頼してください。

2-4.見積書の内容・契約時に必要な探偵の業務

悪徳探偵を見極める要素として、見積書の内容に注目してください。見積書にはどのような調査にいくらかかるのか・追加費用が発生するケースなど、具体的なことが記載されています。見積書の内容が不明確になっていたり、料金設定が記載されていなかったりする探偵事務所は悪徳探偵の可能性が高いでしょう。また、契約時に必要な探偵の業務にも注目です。探偵業法において、依頼者が探偵と契約する際には、以下の3つの業務を行わなければならないとされています。

  • 秘密保持の誓約書
  • 重要事項の説明
  • 契約書面の提示

上記の業務をきちんと行わない探偵事務所は悪徳探偵の可能性が高いので要注意です。

2-5.複数の探偵を比較することも大事

1社だけでなく、複数の探偵事務所を比較するのも悪徳探偵を見極めるポイントです。実際、最初にチェックした探偵に依頼した結果、トラブルになったという事例がいくつもあります。ほかの探偵と比較することで、どのような調査分野に長(た)けているのか・得意分野は何なのかなど、さまざまなポイントが分かりやすくなるでしょう。つまり、悪徳探偵が浮き彫りになります。最低でも3~4社を比較しながら、信用できる探偵に依頼してください。

3.被害に遭ってしまったときの対処法

ここでは、被害に遭ってしまったときの対処法を紹介します。

3-1.最寄りの消費生活センターに相談する

悪徳探偵に引っかかってしまった場合、なるべく早めに最寄りの消費生活センターに相談してください。消費生活センターでは、さまざまな悩みを受け付けています。これまで寄せられた相談件数がたくさんあるので、状況に合ったベストな解決策を提案してくれるのです。「なかなか相談できない」「相談できる人がいない」と不安な気持ちを抱いている方でも、第三者に相談することはできるでしょう。大切なのは、早めに相談することです。トラブル発生からすぐに相談することで、解決策の選択肢が増えます。

3-2.クーリング・オフが可能なケースも

契約時などの状況によっては、クーリング・オフが可能なケースもあります。クーリング・オフとは、一定の契約に限り、一定期間、無条件で申し込みの撤回または契約を解除できる法制度です。通常、いったん成立した契約は一方的に解除できない仕組みとなっていますが、訪問販売など不意打ち性の高い取り引きでは冷静に判断できないまま契約をしてしまうことがあるでしょう。そのため、消費者が頭を冷やして考えることができるように、契約後の一定期間内であれば無条件で契約ができる制度を設けました。強制的に契約させられた場合は、クーリング・オフ制度が適用される可能性があるので、消費生活センターに相談してみてください。

3-3.警察または弁護士に相談する

大金が絡んでいる場合や、自分の身に危険が迫っている場合は、警察に相談することをおすすめします。トラブルが深刻になればなるほど早急な対処が必要ですし、事件性があると判断されれば警察が動いてくれるでしょう。ただし、「これは事件だ」ということを証明する必要があります。警察に相談する際は、悪質な行為によってだまされた証拠を提示してください。また、不当な請求をされて困っている方やだまされて支払ってしまったお金を取り戻したい方は弁護士に相談するのも選択肢の1つです。法律に関するすべての相談を行うことができるため、法的手続きがスピーディーに進められるでしょう。

4.探偵事務所に関してよくある質問

探偵事務所に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.調査見積もりを依頼する際のポイントは?
A.調査見積書の発行が可能かどうかがポイントです。依頼者が調査を急いでいるとしても、探偵が契約を迫る探偵事務所は悪徳業者の可能性が高いので注意しなければなりません。優良探偵ほどしっかりと話を聞き、見積書や調査プランの企画書をきちんと提出してくれます。話を聞きながらもどうすれば良いのか、ベストな解決策を提示してくれるのです。口約束では後でトラブルになる恐れがあるため、きちんと書面化してくれるかチェックしてください。

Q.探偵業者に与えられていない権限は?
A.返金請求や解約交渉などは、探偵業法上の届出を行った探偵事務所だとしても権限はありません。つまり、解約料を求めたり、書面に虚偽の記載をしたりする探偵は悪徳だと判断できます。立派な探偵業法違反となるため、警察に相談すると事件性があるとみなされるでしょう。トラブルになり不安な気持ちを抱いている方は、警察・弁護士・消費者生活センターなどにすぐ相談してください。

Q.悪徳探偵の手口に引っかからないようにするための心構えは?
A.しっかりと自分のペースを保つことです。たとえ、探偵から不安を煽(あお)るようなことをいわれたらとしても、そのまま鵜呑みにしてはいけません。その場の雰囲気や探偵の言葉に流されないように、自分のペースを維持しておきましょう。また、分からないところや疑問に感じる部分は、すぐに質問して解消することも大切です。

Q.重要事項に関してはどんな説明がされるのか?
A.主に以下のような重要事項の説明があります。

  • 調査期間・調査方法から結果の報告方法や期限
  • 依頼者が支払う金額や支払い方法
  • 調査した書類の処分方法
  • 探偵の名前や住所などの情報
  • 契約解除の内容

上記の要素は、探偵側がしっかりと依頼者側に説明しなければならないことです。依頼者にとっても、契約上において必ず説明を受ける必要があるので注意してくださいね。

Q.別の探偵に相談するのもアリか?
A.探偵トラブルの解決を行っている探偵事務所に相談するのも選択肢の1つです。優良探偵の中には、探偵トラブルに関する内容の相談を受け付けているところもあるでしょう。さまざまなトラブルに対応している探偵事務所ほど、そのときの状況に合わせた解決策を導き出してくれるものです。名古屋市を中心に探偵業を行っている愛知探偵事務所では無料相談を受け付けているので、ぜひ一度ご相談ください。丁寧に誠意を込めて対応させていただきます。

まとめ

悪質な探偵事務所は、高額な追加料金を請求したり、きちんと調査報告書を出してくれなかったりするなど、さまざまなトラブルが起きています。決して安くはないお金を出して依頼するからこそ、実績のある信用できる探偵事務所に依頼することが大切です。調査員の対応や見積書の内容・口コミなどをチェックしながら、複数の探偵事務所を比較するといいでしょう。少しでも不安要素がある探偵事務所には、すぐに依頼しないようにしてください。